あんかけチャーハンが食べたい
晩御飯はピザの予定。母がわんさか具を盛り付けていて、普段の物よりボリューミーだ。
私は刺身とあんかけチャーハンが食べたい。
あんかけチャーハンは紅虎餃子房のやつがいい。
お刺身はサーモンがいい。マグロもいいな。ハマチだったらもっといい。
人に食事を作ってもらっていると、食べたいものと用意されているものが違うことはよくある。
それと同じようにやりたい事とやっている事が違うことだってよくあることだ。
やってみたいことはいくつかある。
目指したいものもある。
ぐわっとやる気が満ち溢れるとき、なんでもできるような無敵さを自分の中に感じるが、私の場合それは本当に長く続かない。
なぜ長く続かないのか。
きっとその無敵さを感じている時に、さっさと行動に移さないせいだ。
夏休みの宿題は、最後までやらない子供だった。
最初の授業日が締め切りなのをいいことに、やりたくないことを全部後回しにしていた。
悪癖と言っていい癖だ。
仕事をするようになって、むしろ面倒くさいものは先にやってしまおうと思うようになった。
やっと見つけた仕事だ。
人よりスタートが遅く、同年代の人よりも圧倒的に社会経験も貯金も少ない。
どうしても自身が持てなくて、他人から背中を押して欲しくて、意見を聞いてから行動しようと悠長に構えていた。
その間にやる気がしぼんでしまった。
やる気がしぼむのはなぜだろう。
ただの興味本位で、強い気持ちがないからだろうか。
とはいえ、まったくやりたいと思う気持ちがなくなったわけではない。
ただ、現状を維持していれば家族仲は安定し、親の夫婦仲も安定し、とりあえず波風立たない日常を過ごせる。
それを維持しようとして、やる気がどこかへ行ってしまっているのではないだろうか。
子は鎹というが、また自ら勝手に鎹になっているのではないだろうか。
「両親に引っ張られるのではなく、両親を引っ張っているという意識になればもっと強くなれますよ」
以前、こんなことを言われたことがある。
今になって実感する。
親や家族のことに対するトラウマとも言えるものが発動して、無意識下で安定している今を維持することを選んでいるのなら、どうにかしてそこから這い出したい。
私は故郷が好きだし、実家が好きだし、なんだかんだ両親のことも好きだし、姉達、義理兄、姪が好きだ。
離れている方が我が家は安定しているように感じる。
父と母の問題は二人で解決してもらわなければならないことだ。
それを解決するかどうかを選ぶのは父であり、母だ。私じゃない。
思い切ってまずは仕事をやめる勇気が今は欲しい。